兵庫県 | 河田 のどかさん

1995年1月17日、兵庫県神戸市須磨区にて被災。現在、NPO法人「さくらネット」に勤務し、防災教育の大切さを広める活動を行っている。

全ての子どもが、防災教育を受けられる社会へ。

小学校1年生で震災を体験し、長田区にあった父方の祖父母の家が潰れました。その1年後の小学校2年生の冬休みの作文で、祖父母の家の跡地を訪れたことを書いたんですね。その作文を母に見せた時に、「どうして楽しいことを書かなかったの?」と言われて、その日から震災の話をするのはやめたんです。母を悲しませるから。でも、心のどこかにはずっと震災のことがありました。

中学校3年生の1月に、阪神・淡路大震災の新聞記事を目にする機会があったんですが、そのひとつに兵庫県立舞子高校の環境防災科一期生の先輩の記事が載っていました。その先輩は宝塚のご出身で、ご家族を震災で亡くされた方だったんですが、私よりも大変な被害を受けたのに震災と向き合っていました。それを知って、「私も阪神・淡路大震災を知らずに大人になりたくない」と思ったんです。「震災と向き合いたい」という気持ちが、その時にはっきり自分の中で芽生えたので、同校環境防災科への進学を希望しました。

環境防災科では、毎週、外部講師の方が震災のことを伝えるために授業に来てくださいました。ある授業では、阪神・淡路大震災では6434人の方が亡くなったんですが、そのうち約4000人の方々が圧死や窒息死で震災から15分以内に亡くなっていたというデータを紹介していました。その4000人の方々は事前に家の耐震をしていたり、家具の固定をしていれば救えた命だったかもしれないという話をしてくださったんです。事前の備えで救えた命があるという話を聞いた時に、初めて「悔しいな」という感情が生まれたんですね。

いま全国で、本当に防災教育に熱心に取り組む学校や子どもたちが増えている一方で、なかなか防災教育にチャレンジできていない学校もたくさんあると思うんです。でも、どんな人も災害に遭遇する可能性があります。

私の目標は、すべての子どもたちが防災教育を受けられる社会にすることです。そのことによって子どもたち自身にも命を守り抜いてほしいですし、大切な人たちの命を守り抜ける大人になってほしいです。
1995年1月17日、5時46分。淡路島北部を震源とする、マグニチュード7.3の地震が発生。兵庫県神戸市では震度6を記録。この地震による被害は、死者6,434名、行方不明3名、負傷者43,792名、住家全壊104,906棟、住家半壊144,274棟、全半焼7,132棟にのぼった。