岩手県 | 佐伯 悠さん

2011年3月11日、岩手県釜石市にて被災。釜石シーウェイブスRFC所属のラグビー選手。

スポーツを通じて、地元を盛り上げたい。

本当に、ついこの間のような気がします。釜石の復興が進んでいることで少しずつ忘れそうになることもあるんですけど、僕らのチームでは自宅が流されたり、自分自身も会社が流されたりしたので、やっぱり忘れるに忘れられない出来事ですし、本当に大変な年でした。言い方は変ですけど、僕自身も得ることもいっぱいありましたし、チームとしての成長やチームのあり方を考えさせられることだったので、たぶん一生忘れることはないかなと思っています。

当時は本当に「生きていればどうにかなる」というのが、僕らの慰めというか、キーワードだったので。とにかく生きてこそ、でした。

被災した後、僕たちはラグビーができない状態でした。若くて元気な人間が持て余すのはもったいないということで、行けるやつはみんなボランティアに行こうと言って、物資の運搬などをお手伝いさせてもらいました。たまたま取材に来ていたテレビで「釜石シーウェイブスの選手が元気にボランティアをやっています」というのを言ってもらったので、それでやっとみなさんに無事を知ってもらえました。やっぱりテレビの影響力は大きいなと思い知らされる一方で、なかなか継続して釜石を発信するのは難しいなというのも、この5年で感じました。

今ここにいるからには復興にたずさわりたいですし、2019年のワールドカップまではしっかりとラグビーを現役で続けたいなと思います。まだ“被災地”という言葉を使っていいのかどうかわからないですけど、苦労している方はまだまだいますし、ただその人たちもどんどん前を向いて、前向きにがんばろうというのが、この5年間だったと思います。それを僕らがスポーツを通して一緒に寄り添って頑張って、釜石をしっかりとまた盛り上げていけたらなと思っています。僕らはそれをできる役目を持っているので、しっかりとやりきりたいなと思います。
2011年3月11日、14時46分。東北地方太平洋沖を震源とする、マグニチュード9.0の地震が発生。釜石市はこの地震に伴い発生した津波によって、1,000人を超える市民が犠牲または行方不明となった。